豊かに生きるということ
動物の世界は、弱肉強食。
弱者は食われ、強者は生き残る。
例えば、障害のある個体は、逃げられず食われてしまうし、群れごと危険に晒すことになるから、捨てられたりするかもしれない。
強者だって、明日にはもっと上の強者に食われることもあるだろう。
生きている間ずっとこれが続く。
障害者を殺したり、弱者は切り捨ててもいいという世界は、こんな動物の世界と同じだ。
動物は、基本的な本能だけで生きている。
だけど人間は、将来を想像する力がある。想像してしまう力、なのかもしれないが。
動物と違って、明日も生きていられるという安心感を人間は求める。
人間誰でも、老いたら必ず弱者になる。
老いより早く、事故や病気で障害を持つ可能性もある。
ということは、弱者切り捨ての社会は、いずれ自分が切り捨てられる社会ということだ。
そんな社会で、安心して暮らすことなどできない。
けれど、基本的な欲も満たせないほど社会が貧しくなったら、動物の世界に戻ってしまうだろう。
食べるのに必死、寝床を見つけるのに必死。
間違いなく弱肉強食の世界が待っている。
弱者になっても安心して暮らせる社会は、事実に基づいた知識や、人を思いやる知恵が優先される社会。
そのためには、基本的な衣食住の心配をしなくてよい、文化的な環境が維持された社会が必要だ。
だから、失業者が街に溢れている社会はダメだ。本能が知恵や知識より優先されてしまう。
だから、国は豊かにならねば、成長せねばならない、ということになる。
現状維持ではなく、少なくとも上向きでないといけないのだろうと思うが、このあたりは勉強不足。。
私は、動物的でなく、人間的な社会に暮らしたい。
世の中弱肉強食なんだからしかたない、なんて、どんなときにも言いたくない。
本能は大切にすべきものでもあると思うけど、知識と知恵が優先される世界であってほしい。